固定資産への投資は、自己資金で

企業は資金を調達して、それを商品などの財産に投資し、事業を行います。この時、企業は、建物や機械、車両などの固定資産に投資することもあります。

そして、投資した固定資産を使用することで、企業は数年間にわたり、売上をあげることができます。

しかし、固定資産への投資金額は多額となり、固定資産に投資した資金を回収するには、数年がかりとなります。

そのため、固定資産への投資は、自己資金でした方が安全といえます。もし、短期借入金で固定資産を買った場合には、固定資産で現金を稼ぐよりも、借入金の返済期限が早く来て、企業は資金繰りに追われ、資金ショートを起こしかねないからです。

固定比率とは

固定比率とは、建物や機械、車両などの固定資産を、どれだけの比率で自己資金で購入したかを示す比率をいいます。

固定比率は次の算式で計算します。

  • 固定資産の価額÷自己資金×100%=○○%

つまり、自己資金のうち、固定資産への投資に充てられた比率をいい、この比率は低いほどいいといえます。この比率が100%より低ければ、それだけ、自己資金の範囲内で固定資産を購入していることになります。100%を超える場合には、自己資金だけでなく、借入もして固定資産を購入していることになります。

単純に、個人がマンションを買ったとき、借入をしないで自己資金で買った場合のほうが、安心ですね、ということです。

なお、固定比率の判断基準は、次のようになります。

  • 100%以下・・・良好
  • 100%以上・・・不良

固定比率を低くするには

企業の財政状態を安全にするには、固定比率を低くする必要があります。企業が調達した自己資金の範囲内で固定資産を買っている方が、企業の財政状態は安全だからです。

それでは、固定比率はどうすれば低くできるのでしょうか?それは、固定資産を減らし、自己資金を増やすことでできます。

固定資産を減らす

固定資産を減らすためには、企業が持っている固定資産の棚卸しをする必要があります。

貸借対照表に記載されている固定資産について、本当に、事業活動に必要なのかどうか、企業の売上に貢献しない無駄な資産がないかをチェックしていくのです。

そして、無駄な固定資産があれば、それを売却や廃棄することで、固定資産は圧縮され、固定比率は低くなります。

また、売却すれば、その売却代金は、企業の資金繰りを助けます。廃棄すれば、その廃棄かかる損失は、企業の利益を減らし、法人税等の負担を減らします。

自己資金を増やす

自己資金を増やすには、企業が事業活動で儲けを増やす、ということが重要となります。そのためには、事業に本当に必要な固定資産は何かを把握し、売上を生み出す必要な固定資産に投資する、という判断が必要となります。

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