鉄道会社が住宅の大規模改修工事を強化

鉄道会社の売り物とは?

 

2016年4月16日の日経MJ新聞に、私鉄各社が中古マンションなどの大規模改修事業を強化している、という記事が掲載されていました。

鉄道会社の売り物は、鉄道による移動、となります。お客様が場所Aから場所Bへ移動しようと考えた場合、その移動手段の一つが、鉄道となります。

そうなりますと、鉄道会社の競争相手は、同じ移動手段を提供するものとなります。

通勤であれば、車やバスが競争相手となりそうです。通学であれば、自転車、バスでしょうか?出張など遠方への移動となると、飛行機などが競争相手となってきます。

 

鉄道会社が中古住宅の大規模改修事業を強化するのは?

 

移動手段を売り物とする鉄道会社は、なぜ、中古マンションなどの大規模改修事業を強化するのでしょうか?

同紙によれば、その移動手段を売り物とする鉄道会社が中古マンションなどの大規模改修事業を強化するのは、顧客を増やすためです。

2020年をピークに都心部の人口は減少し、その対策として、若年層や子育て世代を呼びこむために、沿線に改修したマンションなどを販売、賃貸しようとのことです。

確かに、鉄道沿線に、若年層や子育て世代の方が住まれるようになれば、通勤や通学、買い物などで鉄道を利用してもらう機会は増えそうです。

鉄道会社が「移動サービス」という自社の売り物を売るために、中古マンションなどの大規模改修事業を強化するのは、非常に理にかなった経営活動だといえます。

 

鉄道会社の競争環境は?

 

なお、鉄道会社は2つの競争環境で、顧客を奪いあっています。

1つは、「移動サービス」を提供する他の鉄道会社、バスや自転車、飛行機などの市場です。

もう1つは、「住宅サービス」を提供する不動産会社などです。

そして、「住宅サービス」で若年層や子育て世代を獲得できるならば、自然と、「移動サービス」の競争環境では、自社沿線に住む若年層や子育て世代は、自社の鉄道サービスを選ぶ可能性が高くなるように思えます。

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